すぐに脱ぐ唐揚げ

ここは唐揚げ一番街
さしずめ唐揚げ界の歌舞伎町と言ったところだろうか。
そんなきらびやかな街で一際油てっかてかの唐揚げがいた。その名は唐揚げ子。
唐揚げ子を唐揚げ一番街に住んでいて知らない者はいない。
なにせ唐揚げ一番街人気ナンバー1唐揚げ譲なのである。
彼女はすぐに脱ぐ。
もちろん尻軽だという意味ではない。
ナンバー1であるため、唐揚一番街の夜の蝶の象徴として、各界の大物を取り入るために彼女は脱ぐ。今日も明日も明後日も彼女は脱ぎ続ける。
それが彼女なりのジャスティス。浅はかな者は彼女を嘲笑うだろう。罵るだろう。
だが彼女は誰よりも輝いている。油でてっかてかなのである。
浅はかな者も彼女の輝きを見ると黙ってしまう、見とれてしまう。
彼女は名実ともにナンバー1なのだ。
今日も彼女は唐揚げ一番街で脱いでいる。