謎のピエロ

謎のピエロ
昔はごく普通のサラリーマンだったがある日突然
「オラ、ピエロになる」
といい家を飛び出した。
憧れのピエロになるためサーカス団に入るも、特に取り柄もないため裏方での仕事ばかりだった。
諦めて田舎に帰ろうかと悩んでいた時、実の兄の死を知らされる。
兄はもともと病弱で、人生の大半を病院で過ごしているような人だった。

だが兄はいつも明るかった。
どこかどんよりとした雰囲気の病院も、兄の病室だけはいつも笑い声が絶えなかった。

「あぁ…、俺は…兄貴みたいになりたかったんだ…」

翌日サーカスの公演中にステージに勝手に飛び出したピエロは叫ぶ

「ちょぉっと失礼!!勝手に飛び出してしまって申し訳ない!!だが俺は道化師!これが俺の仕事なのさ!」

何かが吹っ切れたピエロ。
天国では兄が笑ってくれている気がする。

その日ピエロはサーカスをクビになった