なすに刺さる田中姉妹

田中姉妹は仲のいい姉妹として町内では人気だった。
しかしある日異変が起きた。
姉のタナミがなすに突き刺さっていたのである。
妹のタナコは驚き、タナミを引きずりだそうとした。
「ヨケイナコトスルナ」
タナミはタナコを突き飛ばした。
タナコは開いた口が塞がらない。何故ならその声は聞きなれたタナミの声ではなかったからだ。
タナコは涙を流す。姉は茄子に身も心も支配されてしまったのだと悟り涙を流す。
ひとしきり涙を流したタナコは言った。
「私も、いまいくよ」
タナコは自らの頭を茄子に突き刺した。